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2020.06.23
【NEW】KESエコロジカルネットワーク 希少種の夏季の育成について
本格的な梅雨の季節に入りましたが、いかがお過ごしでしょうか。
新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、希少植物の保全にご協力いただき、誠にありがとうございます。
これからお盆前後までさらに厳しい暑さを迎えますが、梅雨期から盛夏期の植物の栽培管理について、注意していただきたいことをお伝えします。
(栽培テキストの内容と一部重複します。)
今年は梅雨に入る前から、まるで盛夏のような暑さが続きました。
6月20日からの1か月の天候の予想によると、西日本では、平年に比べ曇りや雨の日が少なく、
・平均気温は、平年より高い確率60%
・太平洋側は、降水量が平年並か少ない確率がともに40%
・日照時間は、平年並または多い確率ともに40%
とされています。この傾向は、7月に入ると強くなるようです。
(日本気象協会 https://tenki.jp/long/)
また、梅雨期であっても、晴れた暑い日が続くことが十分考えられますので、水やりや日照の管理に注意してください。
■フタバアオイ
・長雨のときは、雨の跳ね返りや、鉢が水に浸かって根腐れすることを防ぐため、鉢の下に木
の板、台などをかませて、地面に直接置かないでください。
これは、舗装面に鉢を置いている場合の暑さ対策にもなります。
(大きなプランターの場合は別です。)
・6月以降の強い日射を嫌います。強い日差しを受けると、葉焼けしたり、自ら葉を落として
しまいます。日陰の場所に移すか、寒冷紗、すだれなどで日除けをしてください。
また、日除けする場合は、ムレないようにしてください。
梅雨の晴れ間の日差しも、注意をお願いします。
・朝夕に土の状態を見て、乾いていたらたっぷりと水をやってください。
屋内(玄関など)に置く場合は、空調による乾燥にも気を付けてください。
・真夏をすぎると、地上部は徐々に衰退していきますが、根は生きています。水やりは欠かさ
ないようにします。
■フジバカマ
・梅雨期以降、ぐんぐんと背を伸ばしていきます。葉の面積も 大きくなっていきますので、
水の必要量が増えます。
・自生種のフジバカマはもともと水辺の植物です。
鉢植えでは、乾きにくくするため鉢皿を敷き、晴れた日は、できれば朝・夕に水をやってく
ださい。
・梅雨明け以降の盛夏では、日没のころに、鉢を冷やすようにたっぷり水をやるのが良いよう
です。
・葉がおじぎをするように萎れかけてきたら、水切れのサインです。時刻にかかわらず、すぐ
にたっぷり水をやってください。
・どうしても1日水がやれないときは、鉢皿を深めのものに替え、屋根の下やビルの陰など、
直射日光が当たらず、暗くて涼しい場所に置きます。
ただし、長時間、水が切れると、枯死してしまいますので、緊急避難措置とお考えくださ
い。
■ヒオウギ
・祇園祭りの期間に変種のダルマヒオウギが厄除けとして飾られますが、自生種のヒオウギ
も、ちょうど7月に入ると、花茎を伸ばしてきます。
(個体差はあります。)
・軒下など半日陰に置いても問題はありませんが、暗すぎると開花が遅くなったり、花付きが
悪くなります。
・日当りを好み、乾燥にも強い植物ですが、特に梅雨明け後の真夏は、しっかり水をやってく
ださい。
・花後は、種子(ぬばたま)を付けたい場合は、そのままにしてください。
■キクタニギク
・比較的明るい場所を好む植物ですが、真夏の間の強い直射日光は、葉焼けの原因になりま
す。鉢植えの場合は、できれば半日陰に移してください。
・乾燥には比較的強い植物ですが、真夏の水やりはしっかりやってください。
盛夏は1日2回、とくに夕方はできれば日没の頃にたっぷりやります。
・短日性植物ですので、夏から秋にかけて明るい環境にあると、花期が遅れたり咲かずに冬を
迎えてしまうこともあります。できるだけ夜間に照明が当たらない場所に置いてください。
■ノカンゾウ
・半日陰でも育ちますが、多くの花を咲かせるためには、日当たりが必要です。
・乾燥にも強く、また、湿った草地にも多く自生しますが、配布したセットでは水はけを良く
しています。真夏はしっかり水をやってください。
・8月頃が花期ですが、花は一日で咲き終わるため、その花首のところで折り取る「花がら摘
み」を行うと全体の見栄えが維持できます。 全ての花が咲き終わったら、花茎は根元で切
ります。
■タムラソウ
・日当たりの良い山地、高原の湿原周辺の草地などに自生し、日当たりと風通しを好みます。
・やや乾燥気味に育てますが、鉢植えの場合、盛夏の乾燥には注意し、できれば朝、夕の2
回、しっかりと水をやります。
・夏の直射日光では、葉焼けし、穴が開くことがあります。日光や暑さがきつい場合は、半日
陰の場所に移すか、遮光しましょう。
・また、急激に日照がきつくなったり、暑くなると、弱くなる傾向があります。
できれば、梅雨の晴れ間の強い日射が続くとき、梅雨明けのときは、徐々に日照に慣れさせ
てください。
■オミナエシ
・梅雨など長雨の時期は、根腐れを防ぐため、水が溜まりすぎないように、鉢の下に木の板や
台などをかまして地面から離しましょう。
・もともとはやや湿った草原の植物ですので、土が乾きすぎると生育に支障を来します。夏場
は、できれば朝夕2回、たっぷりと水をやります。
・日当りを好む植物ですが、強い西日を嫌います。特に盛夏での強い西日の当たる場所での栽
培は避けます。
・花を多く咲かせるには、盛夏を避けて月1回置き肥を与えるか、2週間に1度くらい水やり
の代わりに液肥を与えましょう。
■ワレモコウ
・日当たりの良い水田まわりの草地に自生します。フジバカマほどではありませんが、水を好
みます。梅雨明け後、鉢植えでは、鉢皿を敷き、乾燥させないようにし、できれば、朝・夕
に水をやってください。
・あまり大きくしたくない場合は、6~7月の梅雨明け前に、草丈の1/3ほどに茎を切り戻す
と、脇芽が横から出て、花が付きます。草丈を抑えてボリュームを出すことができます。
・花を多く咲かせるには、盛夏を避けて月1回置き肥を与えるか、2週間に1度くらい水やり
の代わりに液肥を与えましょう。
以下は、今年度は配布していない植物です。
■アヤメ
・風通しが良く、日当たりの良い場所を好みます。日陰では花つきが良くありません。
・乾燥に強い植物ですが、真夏はしっかり水をやってください。
・9~10月に肥料(固形の油かすを1鉢に2、3個ていど)をやると、翌年の花付きが良く
なります。
・根が詰まると全体が弱ってきます。花後から7月初めまでには植え替え(株分け)を行いま
しょう。
■カワラナデシコ
・日当たりが良く、水はけ、風通しが良い場所に置きます。
・梅雨の時期のムレを防ぐため、初夏に花が咲き終わった茎は間引いたり、3分の1から2分
の1程度に刈り込んでください。
・京都では、初夏~夏に花が一度咲いたあと、秋にも咲きます。秋にきれいに咲かせるため
に、夏に付けた種子は切り取るようにします。
・乾燥にも強い植物ですが、真夏はしっかり水をやってください。
■クリンソウ
・夏は直射日光、西日を避け、半日陰の場所に置くか、遮光ネットなどで遮光してください。
・真夏から徐々に生長が止まり、地上部は衰えていきますが、根は生きています。水辺の植物
ですので、腰水潅水を欠かさないようにしてください。
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このほかにも、ご相談がありましたら、
京都市都市緑化協会「花とみどりの相談所」をご利用ください。(無料)
◆水曜日・土曜日 9:00~12:00、13:00~16:00
◆直通電話 075-561-1980
※面談(梅小路公園「緑の館」2F)での相談は、新型コロナウイルス感染症対策のため現
在、休止しています。面談での相談再開の際は緑化協会HP(http://www.kyoto-ga.jp/)で
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※他の曜日でお急ぎの場合は、こちら(日曜日を除く。)
電話075-561-1350 京都市都市緑化協会 伊藤または佐藤